2017年1月21日土曜日

ベルリン



さて、ベルリンの旅で訪れた場所を少しずつ紹介していきます。
僕はベルリンベアー。町のいろんなところでポーズをとっているよ。



これは第二次世界大戦で虐殺されたユダヤ人のための記念碑。

ブロックは背が高く、間を通り抜けると周りが全く見えなくなります。


最近は「署名をお願いします」と声をかけてきて、それに疑うことなくサインをしてしまうとお金を請求される、という詐欺があるようで、ここでもその「署名の人」がウロウロしていました。ブロックの間からぬっと突如現れ、断っても早足でしつこく追いかけてくるので、それから逃げるのに半パニックになりました。



 ブランデンブルク門や国会議事堂を眺め、DDR博物館を見学しました。DDRとは東ドイツの略称で、ここでは当時の生活が詳しく紹介されています。当時のおもちゃで実際に遊べたり、当時の車でドライブをする体験が出来たり、独特なユーモアのある場所でした。小さな子供もたくさん来ていました。私は「社会主義時代に理想的な女性にコーディネートしよう」、というゲームで遊びました。顔立ちや髪型、服装や持ち物を選んでいくのですが、友達の助言もあって満点を取りました。
完成が、これです。
・・・・どうですか?
右が理想のパーフェクトな模範解答で、左が私がコーディネートしたもの。カバンに水着が入っていますがそこは減点されなかったのが不思議。。。

そしてこれはチェックポイントチャーリー。私の先生が子供の頃には実際にここで検問が行われていたという話を聞きました。ここにも「壁博物館」があり見学したのですが、特に印象的だったのは展示の最後に流されていた、ロストロポーヴィチが壁の前で演奏する映像。
壁が崩壊した直後に彼はチェロと供に現場に駆けつけて、バッハの無伴奏組曲を弾いたのでした。この動画を私は初めて見ましたが、楽器一台から紡がれる、時代も場所も超えて人々の心に訴えかける音楽に圧倒されました。
この動画はYoutubeにもアップされていました。ぜひご覧ください。




そして有名なイーストサイドギャラリー。






富士山を描いたものもありました。



 そして。


ガイドブックには載っていなかったけれども、とても良かったのがケーテ・コルヴィッツ美術館。
彼女は戦時中に作品を発表した画家・彫刻家で、貧しい労働者の生活を描いた作品を多く残しました。第一次世界大戦で子供を亡くし、第二次世界大戦で孫を亡くした彼女が制作した作品、母親が子供を守るように抱きしめている彫刻はとても力強く悲痛なメッセージが伝わりました。

戦没者慰霊「Neue Wache」に彼女の作品のコピーが置かれています。



そして、カイザーヴィルヘルム教会。数日前のテロ事件で犠牲になった方々を追悼する献花が日に日に増えていて、そのためのスペースも一箇所に収まりきらずいくつかに設けられていました。




ミュンヘンに戻ってきたあとに、31日の夕方、そして元旦にミヒャエル教会のミサへ行きました。
1日の神父さんの演説ともいえるお説教は圧巻でした。ヘーゲル、マルクス、ゲーテの言葉を引用し、「歴史が悪くなるという見方もあるし良くなっているという見方もある。不安定なこの時代、どちらが正しいのかわからない。日々の行いで良いことをしていきましょう。」というような内容でした。いろいろな事があった去年だったからこそ、特に力が入っていたように感じられました。
ライプツィヒでもミュンヘンでも、どちらのミサでも感じたのは、ドイツ人でない人にも、キリスト教でない人にも向けて話してくださっていることが感じられました。
そしてそして、、、去年オルガンを一年教えてくださっていた、ペーター先生のオルガン演奏に大感激大興奮!の私でした。


年末の報告、終わり。



来週末にはブランデンブルグ協奏曲の5番を聖イグナチウス・教会のコンサートで弾かせていただきます。精一杯演奏します!

2017年1月9日月曜日

あけましておめでとうございます。


あけましておめでとうございます!
※クリック拡大するとJ.S.バッハのお顔がよく見えると思います。さてどこの教会のステンドグラスでしょうか?


昨年は漸く住み慣れてきたミュンヘンの生活を味わいつつ、日々模索しながら自分の課題と向き合い、いろいろな事を経験した一年でした。
特に心に残っているのは春の「バロックターゲ」での演奏、夏のコンクール、ミサでの演奏、副科でミヒャエル教会の巨大なパイプオルガンを弾かせていただいたこと、ラジオ放送での演奏でした。

嬉しく感じているのは、古楽科の友人達と音楽を通して深くコミュニケーションが取れた事。これは留学しないと絶対に出来なかった経験。相手と心から音楽を分かち合う感覚、どうしても遠慮が先に出てしまいそれが当たり前になっていた日本でのアンサンブルでは経験した事のない感覚を味わうことが出来ました。

今年は実技や研究を研鑽していくのははもちろんのこと、先生や友人たちと更に音楽の上でも言葉の上でもよく意思疎通をはかり絆を深められたらいいなと思います。



去年の年末は何をしていたかというと、ベルリンでドイツ文学を研究をする友人に会いに行ってきました。少しずつですが書き残しておきたいと思います。


ベルリン、、の前に
♪音楽と文学の街♪ライプツィヒにも立ち寄りました。バッハがオルガニストを務めたトーマス教会のクリスマスミサに参加しました。

クリスマスイブのトーマス教会。
ミサの開始を待つ人たち。真夜中にもかかわらず一時間ほど前から既に続々と人が入ってきます。

クリスマスを祝うバッハ。

ミサを終えたあとはGrassi博物館へ。ここには現存するクリストーフォリのオリジナルのピアノ3台のうちの1台が所蔵されています。



なんと、中国趣味の絵柄。少し嬉しいですね。




今回ベルリンへ行く直前にクリスマスマーケットでのテロ事件が起こりました。大丈夫だろうかと心配していましたが年末最後のレッスンでクリスティーネ先生に私の予定を伝えると、ベルリンは先生の故郷だということが判明し、「今の世の中絶対に安全な所なんて無い。」と言ってレッスンを脱線して先生おすすめの見所、特に東ドイツの歴史を知るためのポイントを教えてくださいました。

到着した夜はベルリンビールで友人と乾杯。




先生が話していた通り、ベルリンはミュンヘンとは全く違う様子の街でした。古いものに新しいものをねじ込んでいる感じ。それがユーモアだったり皮肉だったり、人を元気づかせるものだったり。とにかく混沌としていてエネルギーが渦巻いている魅力満載な街でした。長く住むとまた違うことを感じるんだろうな。

ベルリンの報告は長くなるので次の記事で書きたいと思います。