2017年11月13日月曜日

夏の思い出と最近の出来事

日本でのコンサートを終えて、ミュンヘンに戻ってきました。(10月頭に)

夏中弾き込んだマイピアノ。音が良い感じに変わってきていて嬉しいです。
次の本番は二月です!

二年ぶりの日本滞在は、コンサートの準備が中心でしたが、その合間にも友達やピアノの生徒さんと食事をしたり楽しい時間を過ごせました。
八月末には「日本モーツァルト愛好会」の皆様が食事会を開いてくださいました。留学生活や音楽の話ができとても楽しかったです。9月のコンサートにもいらしてくださり、その後には打ち上げもしてくださいました。自主企画をこのように応援していただけるのはとても心強いです。。。

久しぶりに登校した芸大では、大塚先生がお忙しいなかお時間を割いてくださり留学生活の報告とじっくり研究の相談ができました。先生にご相談するといつもパワーが湧いてきます。頑張らねば!


大家さん作。


さて10月から気持ち新たに始まった留学生活後半、やっぱり専攻を二つ持つと忙しい!常に手帳とにらめっこして上手く練習・レッスン・研究をバランスよく時間を割けるよう考える毎日です。


先週はアルバイトとして友達の代役で赤ちゃんの洗礼式でピアノを弾いてきました。ミュンヘンの中心から40分ほど電車に乗った田舎の町でしたが、立派な教会があってびっくり。式はハッピーな雰囲気が満ちていてとても素敵でしたが、何と言っても寒かった!神父さんのお説教の間ピアノの前で待機していないといけないのですが、こたつ式電子ピアノなんてあったら売れるだろうなぁなんて考えていました。ちょっと特別にワンピースを着たのに、コートとマフラー着用のまま弾いたのであまり意味がなかったな。。一方赤ちゃんを抱っこしたお母さんたちはみなさんストッキング!でした。やっぱりこっちの人は寒さに強いです。


先月遭遇した焼き栗屋さん。今はもう葉っぱはすっかり散ってしまいました。。

最近はモーツァルトのピアノ協奏曲を弦楽四重奏でこちらの友達に一緒に弾いてもらっているのですが、みんなのエネルギーに新鮮な毎日。普通日本で自分でコンチェルトの演奏を企画すると、ソリストの指示をオケパートの皆さんが待ってくださっている、というのが私にとって当たり前だったのですが、今はコンサートマスターが意見を言いまくってソリストの私が希望をいうものなら「ナイン!」かき消されたりも。。私の方が曲の事わかってるのに。。!いやそこで粘らないといけないのですが。その一方とてもフレンドリーで自分たちもただの伴奏ではなくアンサンブルの一員なんだと言う気持ちで弾いてくれているのはとても嬉しいです。
日本で弾いた時とまた違ったテイストのコンチェルトができていて楽しいです。


2017年8月4日金曜日

受賞者演奏会

夏休み帰国前最後のイベントは、4月に受けたガスタイクコンクールの受賞者演奏会でした。

カタリーナと私は、ベートーヴェンの変奏曲の他に、作曲家の学生Richard Ruzickaさんがこの演奏会のために書いてくれた作品、フォルテピアノとチェロのための「Cosmic Reflections」を演奏しました。幻想的で格好よく(途中でヘヴィメタル的に!なんて指示も出てくる!)素敵な曲です。


さていよいよ二年ぶりの日本、生活にはすんなり馴染めそうな気がしていますが、忘れている感覚もたくさんあると思います。自分が何にびっくりするだろうか。。楽しみです。



2017年7月9日日曜日

最近の出来事

先週はイタリアから来たリューティスト、ロレンツォの卒業試験がありました。ロレンツォは私がミュンヘンに来た時から気さくに話しかけてくれて、何度もお茶や食事をした大切な友人の一人です。
バチェラーの卒業試験は、ソロとアンサンブル合わせて1時間半ほどのプログラムを組み休憩なしで弾き通さなければならないので、なかなかハードです。私はヴィヴァルディのコンチェルト、モンテヴェルディのTempro la cetraの通奏低音を弾かせてもらいました。リュートとのアンサンブルも、モンテヴェルディの作品を弾くのも今回が初めてでしたが、ロレンツォが歌詞をドイツ語に訳してくれたり、私もCDをいろいろ聴いてみたりしていい勉強が出来ました。何より、彼のレッスンについていくのが非常に楽しく、彼の師匠エヴァンジェリーナ先生もイタリアからいらしているので、レッスンは主にイタリア語。わーここはイタリア?と浮かれていると「トモミー!」とドスの効いた声で叫ばれました。←(もっと和音を鳴らせー!と先生は言いたい。)

試験のあとはビアガーデンで乾杯しました。
スイスでも頑張ってね!

そしてとてもビックリしたことに、私が東京で23歳の時から5年間教えていたアイゼナハ音楽院に、彼が今度師事するエドアルド・エグエスさんがいらしてた事を知りました。なんか縁を感じるなぁ。ロレンツォもいつか日本においでね!

この卒試験の前にもう一人のイタリアからの大切な友達、ヤコポの誕生日会がありました。みんなからメッセージを集めたバースデーカードを渡したらとても喜んでくれました。



そして、私もこの試験期間にフォルテピアノのマイスター課程の入試を受験していたのですが、一昨日合格のお知らせを頂きました!チェンバロの専攻生としてもこれまで貴重な機会をたくさん頂き本当に楽しい二年間でしたが、今後はよりじっくりと二種類の楽器から17-19世紀のドイツ鍵盤楽器作品をしっかりみていきます。楽しみながら頑張ります!

2017年6月12日月曜日

オペラの思い出と最近の出来事

五月のオペラ公演も終わり、試験期間に入りました。私も自分の本番や友達の試験の伴奏の練習とレッスンに向けてさらう毎日です。

気が付けば二年間の研修期間も残り二ヶ月弱、日本への帰国が楽しみなのと、少しさみしい気持ちと。。。


同期のチェンバロ科は私とミヒャ(歳は私より5つ程下だけど)の二人なのですが、彼はおっとりしていてとても優しく、私の中では「やかまし村の子供たち」のオッレと重なっています。(わかる方はいらっしゃるでしょうか。。(^^;))
そんな彼は通奏低音が素晴らしく、密かに師として仰いでいます。次々と繰り出す即興演奏が面白くて、初演日は私は休みだったので、彼は必要としていなかったけれど無理やり譜めくりをさせてもらいました。笑
楽譜に殆ど数字が振られていなかった事に衝撃。。。

ところで何故こんなパジャマみたいな格好をしているかというと、今回のオーケストラ用の衣装がH&MのTシャツだったから。。

みんなこんな感じでした。(終演後のお辞儀。)


そしてこの写真を撮ってくれたヤコポ。
彼はイタリアから来た素敵なリュート奏者。このブログをチェックしているらしいのでそう書いておこう。。

みんな5公演のうち一度は家族や恋人が聴きに来ていたので、うらやましいなぁとうっすら思っていたのですが、最終日にはエリザベートコンクールで弾いてきたばかりのカタリーナが来てくれました。チケットは既に売り切れていたので、彼女も私の譜めくりすとに扮して。笑
嬉しかったです。


そしてドイツの音楽新聞の今月号に(Neue Musik Zeitung)にコンクールの記事が載っていました。7月13日に受賞者コンサートがあります。私たちはそこで現代曲も演奏する事になったのですが、まだ曲が完成していないという未だかつてない恐怖を味わっています。頑張ります。



2017年5月14日日曜日

コンサート in 東京



今年の9月20日に、かつしかシンフォニーヒルズのアイリスホールにてフォルテピアノのコンサートを行います♪2011年から2年に1度開催してきた「ウィーンのモーツァルト・サロン」ですが、今回から名称を新しく「Mozart's Dialogue」として、より充実したコンサートを目指します!

今回は共演者をお招きせず、ソロ作品からじっくりと彼の音楽ドラマに目を向けます。 普段演奏される機会の少ないモーツァルトの音楽仲間たち、J.B.アウエルンハンマーやM.Th.v.パラディスの作品も取り上げます。お楽しみに!していただけるよう頑張ります。


詳細はこちらから♪
http://eplus.jp/sys/T1U89P0101P006001P0050001P002225466P0030001P0006

皆様のご来場お待ちしております。♪
後日ちょこちょこまたコンサートについて書いていきたいと思います。

2017年4月30日日曜日

4月の出来事

あっっっという間に今月も終わり。再び真冬のような寒さが続いた4月でしたが、今日は久しぶりにいいお天気でした。


今月の始め✿ミュンヘン音大と文化センターガスタイクが主催するコンクールに、カタリーナとデュオで参加し一位をいただきました。
http://website.musikhochschule-muenchen.de/de/index.php?option=com_content&task=view&id=14649&Itemid=1
自分の演奏法について見直し、今後の取り組み方を考える良いきっかけにもなりました。

このコンクール本番の3日前から、5月公演のオペラGiulioCesareの舞台練習も始まりました。午前中と夜の2回の稽古が毎日あり、先生や歌手の方たちが演技を練り、それに音楽をひたすら合わせていきます。一人でソロを黙々と練習するのとは違う大変さがありますが、演技が決められていく過程を見たり、歌手の感情や動作に併せてチェンバロやリュートがレチタティーヴォで効果音をつけていくのはとても面白いです。
大学のフェイスブックにリハーサル風景の写真が少し載っていました。
https://www.facebook.com/Hochschule-f%C3%BCr-Musik-und-Theater-M%C3%BCnchen-310270902396373/?hc_ref=PAGES_TIMELINE

13日は私の誕生日、たまたまオペラのリハーサルがなくなったので、初めて友達を夕食に招待しました。イタリアからのリューティスト、スペインからのチェリスト、日本からのヴァイオリニスト、ドイツのチェンバリスト。みんないつも暖かい愛情で私に接してくれます。楽しい時間を過ごしました。日本食をドイツのキッチンで作るのはなかなか大変で、特にちらし寿司は改善の余地があったなぁ。肉じゃがは好評でした。

いただいたケーキ。(メッセージプレートはイースターをお祝いしていますが(^_^;))


30日の今日は、お馴染みの教会Kreuzkircheで学生によるコンサートがありました。今回は没後350年になるフローベルガーの作品に焦点をあてたものでした。とてもいい雰囲気の中、私はイタリアンチェンバロでパルティータ"Auf Die Mayerin"を演奏してきました。

5月も自分のソロ演奏と論文研究(全然ブログには登場しないけれど)、オペラのリハーサルとしっかり両立させて頑張ります。



2017年3月20日月曜日

Handwerksmesse

3月8日から14日まで、ミュンヘンでHandwerksmesseが開かれました。
このメッセは毎年この時期に開催されていて、ドイツだけでなく海外からの出品もある大規模なイベントです。
私は北ドイツのRostockからいらしたチェンバロ製作家、J.G.シュミットさんのお手伝いでデモンストレーション演奏をしてきました。




会場にはMietkeモデルの一段鍵盤のチェンバロ、製作途中のGräbnerモデルの二段チェンバロ、ポジティフオルガンにクラヴィコードが展示されました。一段チェンバロとオルガンでバッハやモーツァルト幼少期の作品などを演奏しました。やっぱり楽器はただ展示されているよりも実際に音が聴ける方が断然面白いですよね。弾き始めると皆さんが足を止めて聴いてくださるので、嬉しかったです。


【動画】オルガンでモーツァルトを弾いています。

本来は20分弾いたら少し休憩して、計3回弾く予定でしたが、声をかけてくださる方や小さな子のかわいい視線、乳母車を止めて聞いてくださる若いお母さんなどがいらっしゃるとどうしてもやめられず、結局一時間半弾き続けていました。笑

休憩時間には他の展示も見学しました。
私たちは「ドイツの手工芸ゾーン」にいたのですが、

こんなガラスを巧みに操るマイスターや

こんな巨大な籠を編んでいたり

リュートを製作される方も。


こんな素敵な帽子も。欲しくなってしまう。

この展示棟の中央には舞台が設置されていて、そこではミス・ミスターハンドワークの発表が行われていました。笑


チェンバロデモンストレーションのあとには毎回シュミットさんとコーヒータイム。毎年シュミットさんの工房でされているクラヴィコードの製作コース等についてお話を伺いました。それに参加すると、自分で自分が弾くための楽器を一台作れるそうです。

製作コースの様子はこちら。過程が見れて面白いです。
https://www.youtube.com/watch?v=S7CvHRWx1mQ&feature=youtu.be

シュミットさんのホームページはこちらです。
https://www.orgelmacher.com/

隣ブースの琥珀の女性やアウトドアリュックを紹介していたお兄さんも、チェンバロを聴いていてくださったようで、最終日には「『あの小さな日本人の女の子はいつ来るの?』って彼らが聞いてくるんだよ。」と言われ、とても嬉しくなりました。
そして「小柄な女の子」と言われたのは初めてなので、ドイツにいるうちに楽しんでおこうと思いました。笑



頂いたCDと定規、自分でオカリナ屋さんで買った水ぶえ。小鳥のさえずりはいつかコンサートに登場させよう。

2017年2月20日月曜日

誕生日会


韓国料理屋さんにて。ポルトガルから来たフルートの女の子のお誕生日会でした。(*^^*)本当は日本のラーメンがみんな食べたかったらしいのだけど、混んでいてこの大人数ではとても入れず。。。
私はバースデーカードを用意して、皆からメッセージを集めてプレゼントしました。喜んでもらえて嬉しかったなぁ。

昨日から大学は春休み。皆それぞれ自分の国に帰ったり、講習会に参加するようです。一気に静かになったガスタイクで黙々と練習するのは少し寂しいですが、私は引き続きクリスティーネ先生のレッスンがあるのでミュンヘンで頑張ります。カタリーナとの新曲合わせも入ってくるので楽しみです。♪

2017年2月16日木曜日

最近の出来事

先週末はソプラノ歌手Dolothee Mields先生が大学にいらして4日間の特別レッスンがあり、その伴奏にお付き合いしてきました。レッスンの直前まで受講生が何を歌うのか曲目を知らされないのはかなりのストレスでしたが、先生の歌詞の発音の仕方やトリル、カデンツァのアドバイスは聞いていて鍵盤演奏にも活かせる内容でとても勉強になりました。

一昨日の月曜日はチェンバロクラスのスタジオコンサート。私はWilliam ByrdのThe Bellsを弾きました。タイトルのとおり、大きな一つの鐘が鳴り始めて隣の鐘、その隣と鳴っていきそれがどんどん共鳴して、中盤からは仕掛け時計のお人形がくるくる回っているような場面が想像できる素敵な曲です。今回一番手だったので少し緊張しましたが好評をいただけて嬉しかったです。

昨日は調律のレッスンの後に友達に誘われてビールを一杯飲んできました。そこで日本の言葉の意味や習慣についていろいろと聞かれました。特に「盆栽」の説明が難しかった。。。
スペインのチェリストからはこんな質問が。「こちらに来て気づいた日本人の性格の特徴は?」
私「日本人はミュンヘンの人に比べて注意深いかなぁ。こっちでは電車の中で知らない人同士がすぐに楽しそうに会話をし始めるけど、日本では絶対無いよ。それにシャイだよね。でも皆がそうじゃないし、日本にもクラブとかカラオケがあって踊ったり歌ったりするよ。」彼「トモミもカラオケ行くの?」「行くよ」「何歌うの?いま歌ってみて!」「…。」「あ、シャイ!これが日本人のシャイだね!」
彼はドイツ語の単語が思い出せないと踊りだすほど陽気なので、それに比べたら大抵の人はシャイかと思いますが。。(^^;)

最後に
彼「日本人は皆風雲たけし城みたいな感じなの?」

え、どんなイメージ。。というか古すぎる!

2017年2月1日水曜日

Festkonzert 40 Jahre Ignatius-Chor

ブランデンブルグ協奏曲の本番が終わりました!


今回の本番は聖イグナチウス教会合唱団の創立40周年記念コンサートでした。
二度とないとても大切な演奏会で、このブランデンブルグ協奏曲、そしてマグニフィカトの通奏低音を弾かせて頂いたことは本当にほんとうに幸せでした!


この合唱団を指導しているロズビッタ、彼女との出会いは5年前に遡ります。初めてドイツに行き参加した、クリスティーネ先生の講習会でした。そこで講習会後にはミュンヘンを案内して頂いたり、家にお邪魔したりと大変お世話になったのでした。
それから4年後、受験のために再びミュンヘンに来た私はホテルの部屋でロズヴィッタに電話をかけました。そして今こちらで生活することになってからも、食事や散歩をしたり、演奏会を聴いて頂いたり、母親のような存在でもあります。去年は彼女が指揮をするミサのオルガンも弾かせて頂きました。
ロズビッタのおかげでミュンヘンの素敵な場所をたくさん知ることができました。

そして今回のコンサート。特別な行事には彼女の大切な大切なチェンバロを運び出してこのブランデンを演奏することになりました。弾き心地が良く、とてもいい音色の美しい楽器です。
このブランデンブルグの5番はバッハが当時出会った新しい楽器に興奮し、ふんだんにチェンバロパートを活躍させた作品です。私もこの楽器と心から音楽を分かち合いたいなと思いました。

コンサートの4日前からは合唱団の練習に伴奏で参加したり、楽器の弾き込みをさせていただきました。前日最後の練習を終えたあとにはいつものように楽器を拭いてスキンシップをとりました。(^^)

当日はお天気にも恵まれました。

当日のリハーサルは13時から16時まで弾きっぱなし。その後一時間もしないうちに本番だったので、体力勝負な部分もありましたが、おにぎりを食べて元気が回復しました。

さて再び会場に入ってみると、座席は満員、楽器群の後ろには合唱団の方が既にスタンバイされていたので、ほぼ360度人に囲まれての演奏でした。それでも落ち着いて精一杯の演奏が出来たと思います。


終演後にソリストの三人で。
マリアンナ、こずえさん、お二人の音色にもうっとりでした。

コンサートの後は近くのレストランで打ち上げ。

そこでロズヴィッタから、創立時から歌ってこられたメンバーへ賞状が手渡されました。
その中で、一人このコンサート限りで引退される方がいらっしゃいました。その方に向けて手作りの詩が朗読され、全員で輪唱をしたのでした。


私はこの教会と、ここに集まる皆さんの雰囲気が大好きです。







そしてそして、、、昨日はガスタイクでテレマンのターフェルムジークの本番がありました。
楽しいチームでした♪私も青い服欲しい。。。

2017年1月21日土曜日

ベルリン



さて、ベルリンの旅で訪れた場所を少しずつ紹介していきます。
僕はベルリンベアー。町のいろんなところでポーズをとっているよ。



これは第二次世界大戦で虐殺されたユダヤ人のための記念碑。

ブロックは背が高く、間を通り抜けると周りが全く見えなくなります。


最近は「署名をお願いします」と声をかけてきて、それに疑うことなくサインをしてしまうとお金を請求される、という詐欺があるようで、ここでもその「署名の人」がウロウロしていました。ブロックの間からぬっと突如現れ、断っても早足でしつこく追いかけてくるので、それから逃げるのに半パニックになりました。



 ブランデンブルク門や国会議事堂を眺め、DDR博物館を見学しました。DDRとは東ドイツの略称で、ここでは当時の生活が詳しく紹介されています。当時のおもちゃで実際に遊べたり、当時の車でドライブをする体験が出来たり、独特なユーモアのある場所でした。小さな子供もたくさん来ていました。私は「社会主義時代に理想的な女性にコーディネートしよう」、というゲームで遊びました。顔立ちや髪型、服装や持ち物を選んでいくのですが、友達の助言もあって満点を取りました。
完成が、これです。
・・・・どうですか?
右が理想のパーフェクトな模範解答で、左が私がコーディネートしたもの。カバンに水着が入っていますがそこは減点されなかったのが不思議。。。

そしてこれはチェックポイントチャーリー。私の先生が子供の頃には実際にここで検問が行われていたという話を聞きました。ここにも「壁博物館」があり見学したのですが、特に印象的だったのは展示の最後に流されていた、ロストロポーヴィチが壁の前で演奏する映像。
壁が崩壊した直後に彼はチェロと供に現場に駆けつけて、バッハの無伴奏組曲を弾いたのでした。この動画を私は初めて見ましたが、楽器一台から紡がれる、時代も場所も超えて人々の心に訴えかける音楽に圧倒されました。
この動画はYoutubeにもアップされていました。ぜひご覧ください。




そして有名なイーストサイドギャラリー。






富士山を描いたものもありました。



 そして。


ガイドブックには載っていなかったけれども、とても良かったのがケーテ・コルヴィッツ美術館。
彼女は戦時中に作品を発表した画家・彫刻家で、貧しい労働者の生活を描いた作品を多く残しました。第一次世界大戦で子供を亡くし、第二次世界大戦で孫を亡くした彼女が制作した作品、母親が子供を守るように抱きしめている彫刻はとても力強く悲痛なメッセージが伝わりました。

戦没者慰霊「Neue Wache」に彼女の作品のコピーが置かれています。



そして、カイザーヴィルヘルム教会。数日前のテロ事件で犠牲になった方々を追悼する献花が日に日に増えていて、そのためのスペースも一箇所に収まりきらずいくつかに設けられていました。




ミュンヘンに戻ってきたあとに、31日の夕方、そして元旦にミヒャエル教会のミサへ行きました。
1日の神父さんの演説ともいえるお説教は圧巻でした。ヘーゲル、マルクス、ゲーテの言葉を引用し、「歴史が悪くなるという見方もあるし良くなっているという見方もある。不安定なこの時代、どちらが正しいのかわからない。日々の行いで良いことをしていきましょう。」というような内容でした。いろいろな事があった去年だったからこそ、特に力が入っていたように感じられました。
ライプツィヒでもミュンヘンでも、どちらのミサでも感じたのは、ドイツ人でない人にも、キリスト教でない人にも向けて話してくださっていることが感じられました。
そしてそして、、、去年オルガンを一年教えてくださっていた、ペーター先生のオルガン演奏に大感激大興奮!の私でした。


年末の報告、終わり。



来週末にはブランデンブルグ協奏曲の5番を聖イグナチウス・教会のコンサートで弾かせていただきます。精一杯演奏します!

2017年1月9日月曜日

あけましておめでとうございます。


あけましておめでとうございます!
※クリック拡大するとJ.S.バッハのお顔がよく見えると思います。さてどこの教会のステンドグラスでしょうか?


昨年は漸く住み慣れてきたミュンヘンの生活を味わいつつ、日々模索しながら自分の課題と向き合い、いろいろな事を経験した一年でした。
特に心に残っているのは春の「バロックターゲ」での演奏、夏のコンクール、ミサでの演奏、副科でミヒャエル教会の巨大なパイプオルガンを弾かせていただいたこと、ラジオ放送での演奏でした。

嬉しく感じているのは、古楽科の友人達と音楽を通して深くコミュニケーションが取れた事。これは留学しないと絶対に出来なかった経験。相手と心から音楽を分かち合う感覚、どうしても遠慮が先に出てしまいそれが当たり前になっていた日本でのアンサンブルでは経験した事のない感覚を味わうことが出来ました。

今年は実技や研究を研鑽していくのははもちろんのこと、先生や友人たちと更に音楽の上でも言葉の上でもよく意思疎通をはかり絆を深められたらいいなと思います。



去年の年末は何をしていたかというと、ベルリンでドイツ文学を研究をする友人に会いに行ってきました。少しずつですが書き残しておきたいと思います。


ベルリン、、の前に
♪音楽と文学の街♪ライプツィヒにも立ち寄りました。バッハがオルガニストを務めたトーマス教会のクリスマスミサに参加しました。

クリスマスイブのトーマス教会。
ミサの開始を待つ人たち。真夜中にもかかわらず一時間ほど前から既に続々と人が入ってきます。

クリスマスを祝うバッハ。

ミサを終えたあとはGrassi博物館へ。ここには現存するクリストーフォリのオリジナルのピアノ3台のうちの1台が所蔵されています。



なんと、中国趣味の絵柄。少し嬉しいですね。




今回ベルリンへ行く直前にクリスマスマーケットでのテロ事件が起こりました。大丈夫だろうかと心配していましたが年末最後のレッスンでクリスティーネ先生に私の予定を伝えると、ベルリンは先生の故郷だということが判明し、「今の世の中絶対に安全な所なんて無い。」と言ってレッスンを脱線して先生おすすめの見所、特に東ドイツの歴史を知るためのポイントを教えてくださいました。

到着した夜はベルリンビールで友人と乾杯。




先生が話していた通り、ベルリンはミュンヘンとは全く違う様子の街でした。古いものに新しいものをねじ込んでいる感じ。それがユーモアだったり皮肉だったり、人を元気づかせるものだったり。とにかく混沌としていてエネルギーが渦巻いている魅力満載な街でした。長く住むとまた違うことを感じるんだろうな。

ベルリンの報告は長くなるので次の記事で書きたいと思います。